コーチングのいろは ~ゴール/目標を明確にしてくれるSMARTモデル①~
2015/01/21
コーチングにおける明確かつ具体的な目標設定のために
昨日のブログで、
『ゴールと現状が明確になりさえすれば、コーチングは9割が終わったようなもの。』
とお伝えした。
『ゴール』あるいは『目標』を設定するための、”ものさし”のひとつをご紹介。
”SMART”モデルというもの。一般的には結構有名なので、インターネットで「SMART 目標」と検索するとたくさん出てくる。
GROWと同様、頭文字を取ったものだ。
ただ、いろんなサイトを覗いていると、それぞれ使っている単語が微妙に違っていたりする。
でも言っている内容、意味は同じことなので、しっかりと何を意味しているのかを押さえておけばいい。
SMARTとは
photo credit: The Pug Father via photopin cc
- S⇒Specific 「具体的な」
- M⇒Measurable 「測定可能な」
- A⇒Attainable 「到達可能な」
- R⇒Relevant 「関連性のある」
- T⇒Time Phase 「期限のある」
それぞれを具体的に説明していく。
Specific 「具体的な」
抽象的な質問事例
「コーチングがうまくなっていること」
「コーチングのスキルアップ」
「業績アップ」
「組織を活性化する」
「部下を育成すること」
「部下のモチベーションを上げる」
「お客さんとの関係をよくすること」
「お客さんに我が社の製品を理解してもらうこと」
「夫婦の中が円満であること」
「家族が幸せになっていること」
「世界が平和になっている」
これらが目標だったとしたらどうでしょうか?
上記の内容は非常に抽象度の高いものであるといえます。
検証ができないのです。
達成したかどうかは、本人あるいは周りの”感覚”を基に判断するしかありません。
「具体的である」ということは、目標に掲げた内容についてやり遂げたかどうかが、
感覚ではなく事実として判断できる必要があるということ。
具体的な質問事例
上記の目標を具体的に変換してみる(もちろん一例ですが・・・)
「コーチングがうまくなっていること」
「コーチングのスキルアップ」
⇒「○○のコーチングの資格を取得する」
⇒「コーチングの勉強会を月に1回開催する」
⇒「3か月でコーチングセッションを100回実施する」
「業績アップ」
⇒売上前年対比120%達成する。
⇒新規顧客を20件獲得する。
「組織を活性化する」
⇒毎回の会議ですべてのメンバーが最低3回は発言する。
⇒年間通じて無遅刻無欠勤を達成する。
⇒月に1回部内交流会を実施する。
「部下を育成すること」
⇒3か月で営業スキル研修を3回実施させる。
⇒週に1度はコーチングを実施する。
⇒月に3回は部下の営業に同行し、各回フィードバックを与える。
「部下のモチベーションを上げる」
⇒月に1度は面接を実施し、部下の話を最後まで聴く。
⇒1日1度は部下を承認する。あるいはほめる。
⇒「ありがとうカードの交換会を月に1度は実施する」
「お客さんとの関係をよくすること」
⇒お客さんの真のニーズを聴くために、1月に一度は顔を出す。
⇒メールの返信は24時間以内に必ず行う。
「お客さんに我が社の製品を理解してもらうこと」
⇒製品紹介の資料をつくる。
⇒製品紹介のロールプレイを週に3回、人を変えて実施する。
「夫婦の中が円満であること」
⇒月に1度は2人きりで食事に行く。
⇒メールやLINEの返信は8時間以内に必ずする。
⇒今月中にプレゼントを贈る。
⇒月に1度はケーキを買っていく。
「家族が幸せになっていること」
⇒家族が全員そろった団欒を週に10回はする。
⇒1日あった出来事を夕食の時間に共有する(全員)。
⇒家族の夢の発表会を1年の初めに行う。
「世界が平和になっている」
⇒1年を通じて、世界のどこでも武器や化学兵器を使用した戦争やテロが1件も起こらない。
とまあ、こんな感じでしょうか。
もちろん、幸せの定義や平和の定義は人によって違いますから、
それがどのように幸せにつながるのかというのは議論の余地があります。
ただ、知っておいてほしいことは、すべてやったかどうかが明確にわかるということです。
感覚ではなくて、事実としてやったのかやっていないのか。
できたのかできていないのか。あるいは途中なのか。
さて、以上がSMARTの”S”でした。
あー、疲れた…。意外と長くなってしまいました。
というわけで続きは明日。
関連記事
コーチングに”最低限”必要な心構え・知識・スキルって何だろう
コーチングの基本的な進め方 ~GROWモデル~
コーチングのいろは ~ゴール/目標を明確にするSMARTモデル①~
コーチングのいろは ~ゴール/目標を明確にするSMARTモデル②~
コーチングのいろは ~ゴール/目標を明確にするSMARTモデル③~
コーチングで目標を達成させる3つのポイント① ~ものさしの併用~
コーチングで目標を達成させる3つのポイント② ~人を巻き込む(エンロール)~
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