ビジネスコーチングの成果を左右するコーチのあり方
コーチングの引き出し
コーチングなどのコミュニケーションに関する講座を実施する際、
必ず伝えることがある。
コミュニケーションに関しては、
課題がある人が多く、
また、「苦手」と感じている人が非常に多い。
そして多くの場合、
「正しい答え」
「決まったやり方」
こんなことを求めて参加する。
つまり、
方程式や役に立つテクニックを求めてくるわけだが、
はっきり言ってそんなものは存在しない。
あれば私も教えてほしい。
コミュニケーションに関するテクニックは実際にはたくさんあるが、
現場で何がどのように役に立つかはわからない。
だから、
役に立つスキルを身につける。
適切なタイミングで適切な引き出しが出せるように、
正しいスキルを学び、理解し、トレーニングする必要がある。
コーチングは「あり方」×「やり方」
コーチングは「やり方」も大事だが、
その前に「あり方」が問われる。
どんなに素晴らしい技術や知識を持っていても、
意識やものの見方や考え方が腐っていれば、
その素晴らしい技術は役に立たない。
例えば、
「こいつは何をやってもうまくいくわけがない」
「私はこの人苦手」
「私の方が優秀であることを証明したい」
「自分のやり方が全て正しい」
「この部下には能力がない」
「こんな時代に成果を生み出すことは無理だ」
「この組織にいる以上能力を発揮することは難しい」
など。
こんな意識で人の支援をしていては、
どれだけ素晴らしいコーチングのテクニックを持っていたとしても、
コーチングは機能しない。効果的にならない。
というわけで、コーチは、
やり方を磨いていく前に、
誰かを支援していく、自分自身のあり方を、
整えて望む必要があるわけだ。
コーチングにおけるあり方「信・認・任」
パナソニック創業者の松下幸之助氏が、
部下育成の際に大事にした漢字3文字がある。
信
信じるということ。
部下の力や可能性を信じる。
自分で進み、成果をつくれると信じる。
ある意味、本人以上に信じること。
コーチングの相手が自分自身のことを信じられなかったとしても、
コーチは信じているということ。
認
認めること。
相手の世界観や価値観。
意見やアイデア。
自分と違うものであると、
それは「間違いである」と捉えがちである。
正しいとか間違っているとか、
そういった判断をする以前に、
相手の存在やアイデアを認めていくということである。
任
コーチングにおいては、
どうしてもコーチの意見を言いたくなったり、
コーチのアイデアをやらせたくなったりするもの。
しかしそれでは、
自主性が育たない。
自分で考える力が育たない。
責任を取らない。
考えることを相手に任せていくこと。
これがコーチングを成功させていく上での、重要な考え方でありあり方だ。
そしてこれらは、あり方の重要なものさし。
ここから自分を評価し責めるためのものではなく、
自分のあり方を見つめ正していくもの。
ずれていれば、意識して直せばいいだけのことだ。
まとめ
コーチングはやり方に焦点があたる。
しかし、あり方によってそれが言動に現れ、
コーチングにおける信頼関係を形成していく。
信頼を築きたければ、まずあり方から。
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