意図の階段 〜プレゼンテーション達人への道〜
2016/05/19
プレゼンが苦手な日本人
本日はプレゼンテーションの基礎講座。
プレゼンに対する苦手意識を持っている人は極めて多い。
「プレゼン得意な人」
って講座で手を挙げてもらうと、
上げるのは年間でも10人に満たない。
※私が担当するプレゼンテーショントレーニングの受講生は
年間に300人くらい…
「プレゼン苦手な人」
って聴くと、クラスのほとんどが手を挙げる。
「苦手」「自信がない」
これは仕方のないこと。
自信には2種類。
「根拠のない自信」
「実績に裏付けられた自信」
このバランスで成り立っている。
前者が非常に強い人もいれば、
根拠の無い自信はほとんど持ち合わせていない人もいる。
そして、日本人は教育の過程における、
プレゼンの練習の時間が極めて少ない。
つまり、実績がない。
だから、自信のもちようがないのだ。
プレゼンテーションはKKD?
プレゼンテーションはKKD。
つまり、
K:カン
K:経験
D:度胸
これはあながち的外れではないと思う。
特に経験。
これは積み重ねただけ、プレゼンテーションはスムーズになる。
そして経験を重ねるためには度胸が必要だ。
カンも、
プレゼンテーションを構成したり、
実際にプレゼンテーションをしたりするときの、
センスのようなものはやはりあると思う。
同時に、カンは感覚。
話しているときに、あらゆる感覚を使って、
聴衆がどのように聴いているのかを感じ取る力は、
プレゼンテーションにおいて欠かすことができない。
プレゼンの目的
「プレゼンの目的は何ですか?」
この問いかけに、みなさんならばなんと答えるだろうか?
「報告のため」
「情報共有のため」
「理解・納得してもらうため」
「評価されるため」
プレゼンテーションのトレーニングでは、
こんな答えが返ってくる。
どれも正解である。
同時に、
真の目的を掴んでいる人は意外と少ない。
プレゼンの真の目的
プレゼンの目的は、
「人を動かすこと」であり、
「決断させること」である。
もう少し正確に言えば、
動いてほしい人に
動いてほしいように
動いてもらうこと
製品を導入してもらう。
企画を採用してもらう。
上司に協力してもらう。
何かの申込をする。
一緒に食事に行ってもらう。
プレゼンテーションは、日常に溢れている。
意図の階段
プレゼンテーションの目的、
すなわち意図には段階がある。
段階1:認知
最初のステップは認知。
知らなかったことを知るということ。
「へえ、そういうのあるんだ…」
とまあ、こんな感じ。
段階2:理解
認知の次は理解だ。
認知したものがどういうものなのか、
その内容を理解するということ。
「なるほど、言いたいことはわかった」
段階3:納得・同意
次は納得・同意。
「わかる!」
「その通り!」
これがここの段階。
理解しても、納得・同意しているかはわからない。
段階4:行動
そして行動。
具体的に何らかの行動を起こす。
納得・同意しても、動くかどうかはわからない。
人が動きを起こすのは、非常にエネルギーを要する。
段階5:決断
そして最後が決断。
ここが、実際に動いて欲しいように動いてもらう場所。
そして、プレゼンの真の目的であり、意図である。
ここを意識せずに行われるプレゼンテーションは、
残念ながら機能しない。
意図の設定
誰に動いて欲しいのか。
どのように動いてほしいのか。
プレゼンテーションの成功の定義が、
プレゼンの第一ボタン。
ここをかけることで、
プレゼンテーションの方法や手順が決まる。
この意図によっては、
プレゼンのやり方は大きく異なるのだ。
また、一回のプレゼンテーションで一気に階段を駆け上がることもあれば、
柔道のように、
さまざまな技を合わせながら一本を取ることもある。
この階段を意識しながらプレゼンテーションを行うことは、
確実にプレゼンテーションの達人への道を歩む上で、
絶対不可欠な要素である。
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