聴き上手への道 其の一『あり方編』 ~コーチングの基本~
2014/12/27
「本当に聴き上手ですよね。こんなにしゃべっちゃうことないんだけどなぁ…」
私が通っている美容室のオーナーにお褒めの言葉をいただいた。
“聴く”ことは、コーチの最も重要な仕事のひとつ。
というわけで、何回かに分けてきき方のポイントをお伝えしていく。
第一弾は聴くときの『あり方』について
■聴くときの意識(あり方)3つのポイント
『聴き方』というと、どうしてもやり方に焦点があたりがち。
しかしここでも、まず大事なのは『あり方』である。
『あり方(意識)とやり方(方法)』に関するブログはこちら。
どんな意識で聴くのか。どんなあり方で聴くのか。
これがまずは大事である。
・信頼
・好奇心
・受容
まず『信頼』について。
これは非常にシンプル。
「相手を信じましょう」ということ。
『聴く』ためには、相手が話してくれなければなりません。
つまり、
「この人は信頼できる」
「話しても大丈夫」
って思ってもらわなければ始まらないということ。
信じているかどうか、心の中は見えませんが、相手に対してどのように思っているかというのはさまざまなことを通じて相手に伝わります。
・表情
・態度
・声のトーン
・言葉の内容
だから、話を聴くときは無条件で自分から相手を信頼することが大事です。
そう思うと、『信頼』と書きましたが、
別の言葉で言えば『愛』が適切かもしれません。
その人に愛情を向けましょうということです。
続いて『好奇心』です。
相手に100%興味、関心、好奇心を向けること。
「この人って何を大切にしているんだろう」
「どんなこと考えているんだろう」
「何がしたいんだろう」
「この人の悩みはなんだろう」
「この言葉をこの人はどんな意味で使っているんだろう」
「この人ってどんな性格なんだろう」
「どんな強みを持っているのだろう」
「何の仕事をしているんだろう」
「家族は何人いるんだろう」
「今までどんなことしてきたんだろう」
「この人の大事な人って誰だろう」
「好きなことって何だろう」
「この人はどんな成功を成し遂げてきたんだろう」
「どんなことを頑張っているんだろう」
など
実は関心の向けどころは山ほどあるのです。
相手に向けてアンテナを立てると、見えるものがたくさんあります。
しかし一般的に、多くの人はアンテナが自分向きに立っています。
人の話を聴きながら、
「わたしはこう思う」
「私はこうだけど…」
「私が好きなのは…」
こういった自分向きのアンテナは無意識に働くし、
相手の話を上の空にしながら、自分の話に焦点を向けていきます。
これでは聴き上手になれません。
だって相手の話より、自分の心の中でしている会話の方が声が大きくなっていますから…。
相手にアンテナを向けましょう。
そうすると、今まで見えなかったたくさんの事が見えてきます。
最後に『受容』。
受け容れること。
受け取ること。
聴き切ること。
少し難しく言うと、
相手の世界を自分の中に入れることを許すことです。
信頼ともつながってくるのですが、あえて別に書きました。
「この人は私のことをわかってくれる」
「この人は受け取ってくれる」
「理解してくれる」
こういった安心感が、話し手の心をオープンにしていきます。
逆に、
・話を途中で遮られる
・拒絶される
・抵抗や反発される
・「それは間違っている」と指摘される
・求めていないのにアドバイスされる
・無視される
・何か考え事をしている
・別のところに意識がある
といったようなことがあると、話し手は安心して話ができません。
「話していいんだ」
といった安心感を話し手の中に創り出すためには、
「ちゃんと受け取るよ」
という姿勢を明確に示す必要があります。
以上が、聴くときの意識3つのポイントです。
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